魅惑の53音律

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自然発生音律は53音律だった!?


 JOHN平均律は純正五度を7等比分割して得られた半音12個でオクターブが構成されました。


 では、純正五度を31等比分割してみましょう。この単位を53個でオクターブに成ります。
((3/2)^(1/31))^53 = 2.0001347 オクターブの誤差は、なんと0.1セントほどしかありません。実質上 無視されてしまう範囲の値です。
 このオクターブを使って次のようにピタゴラス音階を作ってみました。
 例題としてCを基準にしました。 音程は C*((3/2)^(1/31))^n になります。

音名 C D E F G A B C'
C# Db D# Eb F# Gb G# Ab A# Bb
n= 0 4 5 9 13 14 18 22 26 27 31 35 36 40 44 45 49 53
差(単位) 4 1 4 4 1 4 4 4 1 4 4 1 4 4 1 4 4
差(単位) 9 9 4 9 9 9 4
#やbは便宜上のもので ピタゴラスには含まれません

 面白いことに 単純な 法則になりました。

半音が53音律の4単位(1.053710852)
全音が53音律の9単位(1.124924224)
ピタゴラスコンマは53音律の1単位(1.013165431)になります。

参照 XG音源で音を出してみよう


それぞれの5度関係を調べてみました。

5度関係 差(単位)  
C-G 31  
G-D 31 ヴァイオリンの調弦と一致する
D-A 31 ヴァイオリンの調弦と一致する
A-E 31 ヴァイオリンの調弦と一致する
E-B 31  
B-F# 30 半音が2ヶ所含まれる故 純正になるためには1単位上がらなくてはならない
F#-C# 31  
C#-G# 31  
G#-D# 31  
D#-A# 31  
A#-F 31 A#-C は全音(9単位)なので 半音は1ヶ所
F-C 31  

 C-G,G-D,D-A,A-E,E-B,F-C は完全五度(31単位)でピタゴラス音階の定義を満足しています。
 また、オーケストラの主体楽器であるバイオリンの調弦とも一致しています。

この表はC調におけるものですから、転調すれば、その調性のピタゴラス音階を使わなければなりません。


余談ですが、「属調(V)に転調を繰り返して最初の調に戻ったとき半音の1/4(1単位)高くなる理由」はこの表から容易に察することができます。
53は素数であり、9(全音)の倍数でも4(半音)の倍数でもありません。

参照 転調によって音程がずれる(53音律)

 純正長三度を17等比分割してみましょう。

 純正長三度を基調とした53等比音律の1オクターブは((5/4)^(1/17))^53= 2.005077747=1204.389814cent
 和音を構成する5度は((5/4)^(1/17))^31=1.502167145

音名 C D E F G A B C' D'
n= 0 9 17 22 31 39 48 53 62
差(単位) 9 8 5 9 8 9 5 9  
差(単位) I 17 14  
差(単位) IV   17 14  
差(単位) V   17 14  



 純正短三度を14等比分割してみましょう。

 純正短三度を基調とした53等比音律の1オクターブは((6/5)^(1/14))^53= 1.994148859=1194.927729cent
 和音を構成する5度は((6/5)^(1/14))^31=1.497372669

音名 C D Eb F G Ab Bb C' D'
音名 A B C D E F G A' B'
n= 0 9 14 22 31 36 45 53 62
差(単位) 9 5 8 9 5 9 8 9  
差(単位) I 14 17  
差(単位) IV   14 17  
差(単位) V   14 17  



 誤差としてはやや大き目で、いささか気も引けるのですが、このような表にまとめることができます。


参照 数値による53音律の比較
参照 セントによる53音律の比較

 他の純正音階を検証してみましょう。


 純正二度を9等比分割した53音律の1オクターブは ((9/8)^(1/9))^53 = 2.000928274 = 1200.803344cent

 純正四度を22等比分割した53音律の1オクターブは ((4/3)^(1/22))^53 = 1.999810179 = 1199.83568cent

 純正長六度を39等比分割した53音律の1オクターブは ((5/3)^(1/39))^53 = 2.002104595 = 1201.820815cent

 純正七度を48等比分割した53音律の1オクターブは ((15/8)^(1/48))^53 = 2.001883982 = 1201.630039cent

 純正短六度を36等比分割した53音律の1オクターブは ((8/5)^(1/36))^53 = 1.997606647 = 1197.927032cent

 純正短七度を45等比分割した53音律の1オクターブは ((9/5)^(1/45))^53 = 1.998270531 = 1198.502295cent



 いずれも、53音律が成り立ち得るのが解ります。


参照 自然音階と53音律の比較


標準化する意味で、オクターブ純正を53等比に分割してみました。
式は X=(2^(1/53))^n です。
1単位は22.64150943396Cent刻みになります。

n= 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17
ピタゴラス C   C# Db   D   D# Eb  
純正調 C   D   E
純正調Cm C   D    Eb  

n= 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35
ピタゴラス E   F   F# Gb   G   G#
純正調   F   G  
純正調Cm   F   G  

n= 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53
ピタゴラス Ab   A   A# Bb   B   C
純正調   A   B   C
純正調Cm Ab   Bb   C




純正の長和音を構成する音は、根音と五度は一致するものの、長調を決定付ける長三度の音が、ピタゴラスより1単位低くなっています。
いささか強引かも知れませんが、自然発生音律であるピタゴラスと純正調はこのような関係にあったのです。



付帯資料

初稿 1997年5月 NiftyServe FMIDIKB
更新日 1999/02/02
(C) john&kirara


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